コミュニティFM大分析 #35【特定の分野に特化したコミュニティFMの番組(第2弾)】
- koshibatakashi
- 7月12日
- 読了時間: 6分

こんにちは。「コミュニティFM大図鑑」のコシバです。
コシバが長年調査・収集した情報を分析して、目黒先生の解説と共に紹介していく「コミュニティFM大分析」。
2026年6月29日放送の「サンデー防災Open Lab.」では特定のジャンルに特化した、コミュニティFMの番組を紹介する第2弾をお送りしました。
昨年10月の第1弾では、FMはなび(秋田県大仙市)の『花火の星』、CTY-FM(三重県四日市市)の『ブエノスディアス、タンゴでおはよう』、ナナコライブリーエフエム(埼玉県朝霞市)の『他故となおみのブンボーグ大作戦!』をご紹介しました。
前回もお話しましたが、コミュニティFMにとってマニアックな番組は「ここでしか聴けない」というのが売りになります。また、放送料も県域局と比べて安いため、ポケットマネー、もしくは少数のスポンサーでも続けていけるメリットもあります。
さらにこうした番組にはインターネットを通じて全国的にファンがつくので、その局の知名度アップにも一役買っています。
今回も全国各地のコミュニティFMの中から、私が厳選した他にはないであろう番組を3つご紹介したいと思います。
■YOSHIKI愛全開!本人降臨も間近か!?
●FM五條(奈良県五條市)『X Night season2』
まずは、奈良県五條市のFM五條から『X Night season2』をご紹介します。タイトルからも想像つくように、X JAPANとそのメンバーであるYOSHIKIさんの専門番組です。
パーソナリティーは先月の「異業種が運営する局」でも登場した、FM五條のトップであり、総合老人福祉事業を展開している社会福祉法人祥水園の理事長・塩崎万規子さんが務め、毎週月曜夜7時から生放送しています。
塩崎さん、実は熱狂的なYOSHIKIさんのファンでもあります。
十数年前に旦那さんを亡くした塩崎さんは、旦那さんの仕事を引き継いで多忙な日々を過ごしていましたが、ある日テレビで偶然見たX JAPANの復活ライブで、ドラムを叩くYOSHIKIさんの姿がふと気になりました。
その夜、YOSHIKIさんのことをネットで調べていると、亡くなった父への思いを込めて作った『TEARS』という曲を知り、自分の境遇と重ね合わせて何度も何度も繰り返し聴くうちに、YOSHIKIさんのファンになり、気が付けばライブやディナーショーに足を運ぶようになりました。
2017年にFM五條が開局した際、塩崎さんのX JAPAN・YOSHIKI愛をファンの人たちと共有したいと、『X Night』を自ら企画しました。
番組ではYOSHIKIさんのことを「よっちゃん」と呼び、X JAPANやYOSHIKIさんの曲をかけるのはもちろんのこと、YOSHIKIさんの著書を番組の中で朗読するなど、思い入れがたっぷり詰まった60分となっていて、インターネットを通じて国内外のファンとも交流しています。
3年目に入ってからseason 2に移行し、X JAPANの元プロデューサーである津田直士(なおし)さんも月に1回レギュラー出演して、ここでしか聴けない裏話も飛び出しています。
塩崎さんは以前、YOSHIKIさんのディナーショーで直接お話したことがあるそうで、そのときFM五條のことを話すと「必ずFM五條に俺、行くよ」と答えて下さったそうです。まだ実現はしていませんが、いつかFM五條にYOSHIKIさんが降臨するかもしれません。
■天気予報のように伝える難民情報

●京都三条ラジオカフェ(京都府京都市中京区)『難民ナウ!』
続いては日本初のNPO法人が運営する、京都府京都市中京区のコミュニティFM・京都三条ラジオカフェで毎週土曜夜7時からの『難民ナウ!』をご紹介したいと思います。
『難民ナウ!』はタイトルの通り、世界の難民問題に特化した6分間の番組で、2004年にスタート。20年以上続く長寿番組となっています。
パーソナリティーを務めるのは、建設業界新聞社の元記者で吉本新喜劇の元劇団員という経歴を持つ宗田(そうだ)勝也さんです。宗田さんは大阪で開かれた平和学のセミナーを受けて、難民問題に興味を持ったそうです。
ただ、難民の話題はあまり身近ではないため、宗田さんは天気予報のように日常から難民について考え、話せるようにしたい。そのために何らかの媒体を使って伝えたいと考えました。
宗田さんは開局したばかりの京都三条ラジオカフェに注目。当時、毎月5,250円を払えば自分の番組が持てたことから、お金を払って『難民ナウ!』をスタートしました。
『難民ナウ!』は宗田さんが一人で構成、取材、パーソナリティーを務め、国連難民高等弁務官事務所の協力で、最新の難民に関するニュースや、難民の当事者、難民支援に関わる非政府組織、支援団体や研究者、アーティストへのインタビューなどを流す、非常に濃い内容の番組です。
『難民ナウ!』がこれまでインタビューで出演した方は700人を超えました。宗田さんは「難民問題が解決し、難民ナウ!を終えることが理想」だと語りました。世界中の子どもたちが自分の家で眠れる、当たり前の日常が訪れることを願い続けています。
ただ、残念ながら番組は2026年4月から一旦休止をしています。世界でも類を見ない貴重な番組、再開が待たれるところです。
■市民パーソナリティー養成講座がそのまま番組に

●FM WING(北海道帯広市)『トカチッタ・アーダコーダ』
最後はちょっと変わった視点から、北海道帯広市のFM WINGから『トカチッタ・アーダコーダ』という番組をご紹介します。こちらは毎月第1土曜夕方5時から生放送で、第2週以降も同じ時間に再放送しています。
タイトルの「トカチッタ」は、十勝に暮らす“なにかとうるさい人々”のことを言うそうで、そんなトカチッタの皆さんが月に一度、十勝のことについてアーダコーダじっくり話し合う、という意味でつけられました。
ただ、これはトーク番組ではなく、そういったことを話しながら、通常はあまり電波に乗らない、ラジオ番組の作り方や進め方を学ぶという番組です。
スタートしたのは2010年。パーソナリティーは北海道で数多くのコミュニティFMの立ち上げに携わってきた松崎霜樹さんが務めています。
FM WINGは「おびひろ市民ラジオ」という会社が運営していて、その名の通り「市民がつくる市民のラジオ」を理念に、帯広や十勝の普通の方々がラジオに出演しています。
市民パーソナリティーは事前に研修を受けてから番組に参加しますが、この研修の一部をラジオ番組にしたのが『トカチッタ・アーダコーダ』です。番組には松崎さんとともに、FM WINGの市民パーソナリティー養成講座を受けている方々が出演しています。
例えば、ある回では「今年の自分の三大ニュース」をテーマに、まずは今年がどんな一年だったかを一言で表現する、次にどんなことがあったのかを具体的に説明する、そしてこれらをもとに最後に三大ニュースを発表することを、受講生の方々が実際にその場で喋って、松崎さんがそれにコメントを入れる、という流れで放送しています。
他のコミュニティFMでもラジオ番組の作り方や進め方の指導は行っていますが、実際に応募しないとそれはわからないため、そこが一つのハードルになります。『トカチッタ・アーダコーダ』のように、ラジオでその一端を知ることができれば、ちょっと自分もやってみようかなと興味を持つきっかけになると思います。
『トカチッタ・アーダコーダ』はありそうでない、ユニークな市民パーソナリティー養成番組となっています。
ということで、今回はコミュニティFMで放送している、特定の分野に特化したちょっとマニアックな番組を3つご紹介しました。
今回はX JAPAN(YOSHIKIさん)、難民、そしてラジオパーソナリティー養成と、それぞれまったく違う分野の番組を取り上げましたが、本当にコミュニティFMのコンテンツは幅が広く、懐が深いなと感じました。
コミュニティFMでは他にもこういった特定の分野に特化した番組を放送しているので、第3弾もまたお送りできると思います。
ご覧頂き、ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。


















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