コミュニティFM大分析 #27【コミュニティFMらしい!?マニアックな番組】
- koshibatakashi
- 11月15日
- 読了時間: 6分

こんにちは。「コミュニティFM大図鑑」のコシバです。
コシバが長年調査・収集した情報を分析して、目黒先生の解説と共に紹介していく「コミュニティFM大分析」。
2025年10月26日放送の「サンデー防災Open Lab.」では、コミュニティFMで放送しているマニアックな番組をご紹介しました。
コミュニティFMではいろいろな番組を放送していますが、中には特定のジャンルに特化したマニアックな番組もあります。
県域局は何百万人もの方を対象にしているので、こういった特定の層に向けた番組は作りにくいのですが、コミュニティFMでは逆に「こんな面白い番組をやっている」ことが売りになるため、企画が通りやすく、放送料も県域局と比べて安いため、少数のスポンサーでも続けていけるメリットがあります。
また、大半のコミュニティFMはインターネットでも聴くことができるので、こうした番組には全国的にファンがつくことがあり、局の知名度アップにも一役買っています。
そこで今回は全国各地のコミュニティFMの中から、私が厳選したマニアックな番組を3つ紹介したいと思います。
■花火のまち発の花火専門番組!
●FMはなび(秋田県大仙市)『花火の星』
まずは秋田県大仙市からいきましょう。大仙市は毎年8月に開かれる日本三大花火大会の一つ「大曲の花火」こと全国花火競技大会のほか、毎月市内のどこかで花火が打ち上がる、花火のまちとして知られています。
この大仙市にあるコミュニティFMのステーションネームも「FMはなび」で、周波数も87.3と「はなび」の語呂合わせになっています。
そんなFMはなびでは花火のまちにふさわしく、『花火の星』という番組を2015年の開局以来、毎週木曜夜に放送しています。
パーソナリティーは「花火鑑賞士」という資格を持つFMはなびの藤田浩士(ひろし)さんと、NPO法人大曲花火倶楽部のシンジマンさん、花火が好きすぎて栃木から大仙市に引っ越したというトモトモさんの三人が務めています。
『花火の星』は「世界で唯一の花火専門プログラム」と銘打っていて、大仙市で開かれる花火大会についてマニアならではの視点で見どころを紹介するほか、花火師さんなど専門家の方をゲストに招いて、花火に関する豆知識や裏話を披露するなど、これを聴けば花火に詳しくなる30分となっています。また、「大曲の花火」の際には特別番組も放送しています。
『花火の星』はミュージックバードでも放送していて、FMはなびはミュージックバードを入れているため、1週間に2回放送しています。
■7万曲のタンゴライブラリの中から毎朝オンエア
●CTY-FM(三重県四日市市)『ブエノスディアス、タンゴでおはよう』

続いては三重県四日市市のCTY-FMから、毎週月曜から金曜の朝に放送している『ブエノスディアス、タンゴでおはよう』をご紹介します。その名の通り、これはタンゴ専門の番組で、1999年10月から続く長寿番組です。
ブエノス・ディアスはスペイン語で「おはようございます」のような朝の挨拶です。
パーソナリティーを務めるのは、「エンリケ・ニワ」こと丹波(にわ)宏さんで、四日市ででタンゴのサークルを主宰されています。
丹羽さんは中学三年の受験勉強中に、深夜ラジオで流れていたアルゼンチンタンゴを聴いて、その歯切れの良いリズムと哀愁漂うメロディーにすっかりはまり、タンゴのレコードを集めるようになりました。
学校を卒業後、関東の会社に就職してからもタンゴ好きは変わらず、定年になって故郷の四日市に戻り「タンゴで四日市を元気づけよう」と考えて、地元のコミュニティFMに企画を持ち込んで、『ブエノスディアス、タンゴでおはよう』(当初は『タンゴをあなたに』)が始まりました。
丹波さんは長年かけて集めたタンゴのアルバム約6,000枚、7万曲近い音源の中から毎回数曲を選び、解説を加えながら放送しています。また、一度紹介した音源は再び使わないことにもこだわっています。
最初は月一回の番組でしたが、2014年に平日朝の帯番組になってからは、曜日ごとにテーマを決めて、さまざまなタンゴの曲を紹介するようになりました。四日市の朝はタンゴで始まる、と言っても過言ではありません。
丹羽さんは2020年の取材で「タンゴ発祥の原点は港町。四日市でもブエノスアイレスのように、日常的にタンゴが流れるような雰囲気づくりに貢献したい」と話しています。
■文房具愛ツヨツヨの2人が送る専門番組
●ナナコライブリーエフエム(埼玉県朝霞市)『他故となおみのブンボーグ大作戦!』

3番目は埼玉県朝霞市のナナコライブリーエフエムで、毎週日曜夜に放送している『他故(たこ)となおみのブンボーグ大作戦!』です。
パーソナリティーは「文房具のトークライブ」を開催するなど文房具のPR活動をしているトークユニット「ブング・ジャム」のメンバーでもある他故壁氏(たこ・かべうじ)さんと、文房具ライターのふじいなおみのお二人で、30分間ひたすら文房具愛を熱く語っている番組です。
元々は2020年10月に群馬県沼田市のFM OZEでスタートした番組でしたが、2022年1月からナナコライブリーエフエムに移って、ちょうど5年を迎えました。
『ブンボーグ大作戦!』では発売されたばかりの文房具の紹介や、文房具のメーカーや専門店など業界に携わる方をゲストに招いて話を聞くなど、文房具好きにとってはたまらない番組だと思います。
パーソナリティーのふじいさんは2025年9月に『支援が必要な子からちょっと不器用な子まで 子どもの困ったを解決する ハッピー文房具図鑑』という本を出しました。
特別支援学校に通う子どもたちとその保護者の方に向けた文房具の本で、専門家の先生が子どもたちがどんなことで困っているのか、それを解決するためのポイントは何かを提示してもらい、ふじいさんがそれにピッタリな文房具を紹介していて、なんと250点もの文房具が登場しています。興味がある方は、本屋さんを覗いてみてはいかがでしょうか。
ということで、今回はコミュニティFMで放送している、特定のジャンルに特化したマニアックな番組を3つご紹介しました。
花火、タンゴ、文房具。3つとも、とにかくパーソナリティーの「熱」が強いのがとても印象的でした。そのジャンルが大好きなことが伝わってきて、こちらも沼に引き込まれてしまいそうです。
そして、こういう熱を持った方がラジオを通じて表現することができる、それがコミュニティFMの懐の深さだなと感じました。
他にも全国のコミュニティFMではこういった番組を放送しているので、好評であれば第2弾もできたらと思います。
ご覧頂き、ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。


















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