コミュニティFM大分析 #33【2026年春のコミュニティFMに関する動き】
- koshibatakashi
- 5月10日
- 読了時間: 6分

こんにちは。「コミュニティFM大図鑑」のコシバです。
コシバが長年調査・収集した情報を分析して、目黒先生の解説と共に紹介していく「コミュニティFM大分析」。
2026年4月26日放送の「サンデー防災Open Lab.」では、この春のコミュニティFMに関する動きについてお送りしました。
全国のコミュニティFMに番組を配信するミュージックバードですが、「コミュニティFM大分析」はその中で、実はコミュニティFMのトピックを唯一専門に扱っているコーナーです。
4月は新年度最初の放送ということもあり、この春のコミュニティFMに関する動きをご紹介しようと思います。
■この春は閉局なし!
2023年くらいから、年度末になるとどこのコミュニティFMが閉局というニュースが出ていて、いつも悲しい気持ちになっていたのですが、2025年度末は閉局が一つもありませんでした。
もっとも、現時点で予備免許が下りているところもないので、今年はまだプラスマイナスゼロで、依然として350の壁は超えられていません。
なお、放送を休止している、するところはあります。まず、大阪府泉大津市のFMいずみおおつは放送機材、スタッフ、経営状況を一新して、大きくパワーアップするために、4月1日から3ヵ月間の放送休止に入りました。7月1日に新生FMいずみおおつとして放送を再開することを発表しているため、前向きな放送休止と捉えて良いと思います。

また、奈良県王寺町のFMハイホーも、老朽化した放送機器の更新やスタジオの移転などを理由に3月末で自社製作番組を休止し、4月末で放送そのものも一旦休止します。再開は8月の予定だそうで、こちらも放送再開が待たれます。
■より災害に強いコミュニティFMへ
そして、この春は2つの局がスタジオを移転しました。
まず、福岡県大牟田市とみやま市、熊本県荒尾市をエリアとするFMたんとが、先月イオンモール大牟田隣に新築したビルの1階に移転しました。
FMたんとを運営する大牟田市のICT企業・有明ねっとこむが業務の集約と効率化、そして会社のさらなる事業拡大を目的に新しい本社ビルを建築していて、このほど竣工。FMたんとのスタジオもそこに入り、3月13日から新しいスタジオでの放送を始めました。
有明ねっとこむは大牟田市、みやま市、荒尾市と防災協定を結び、地元の九州朝日放送とも提携して、平時から防災や地域の情報を発信しています。
FMたんとの新スタジオはその拠点ともなるスペースで、広さも従来より拡大。パーソナリティーの方も喋りやすいと太鼓判を押しています。
そして、4月1日には福島県会津若松市のFM愛'Sも、会津若松市役所の中にスタジオを移しました。
FM愛'Sは元スーパーだったビルの5階に長くスタジオを置いていましたが、このビルは竣工から50年以上経っていて老朽化が激しく、東日本大震災のときには一時建物から避難して、ラジオカーの中から放送せざるを得ませんでした。
このたび、会津若松市からの要請で、防災・災害情報の発信に力を入れるために、スタジオを会津若松市役所の旧館1階に移転しました。(ヘッダー画像が会津若松市役所旧館)
旧館は1937年にできた建物で、まちのシンボルとなっています。なお旧館は、隣に新庁舎を建てるのに合わせて保存工事が行われ、免震などの補強がなされています。
新しいスタジオで行われた移転記念の特別番組には、元バレーボール女子日本代表で会津若松市観光大使の大林素子さんも出演されたそうです。
コミュニティFMが防災情報発信の強化を目的に、市役所の建て替えに合わせてスタジオを移転する事例が増えていますが、FM愛'Sは東北で初めて市役所の中にスタジオがあるコミュニティFMになりました。
FM愛'Sは今後、会津若松市と連携して中継局を8つ立てて市内全域をカバーするとともに、市が整備を進めている防災行政無線と連動しての情報発信などに取り組んでいくそうです。
行政がSNSでの情報発信にシフトしていくという流れの中、ラジオを積極的に活用する会津若松市の動きは本当に心強いです。
より災害に強いコミュニティFMへ。FMたんととFM愛'Sの新スタジオに私もぜひ行ってみたいです。
■聴こえる範囲が広がりました
また、中継局の開局で聴こえる範囲が広がったコミュニティFMもあります。
まず、滋賀県甲賀市のエフエム花が、4月1日に信楽町のエリアに中継局を開局しました。
甲賀市に2023年に開局したエフエム花は、地元に住む約20人がパーソナリティーを務め、手作りの放送局といった感じのアットホームさが売りになっています。
ただ、庚申山にある送信所は東側だけしかカバーしておらず、西側の信楽町エリアはラジオで聴くことができませんでした。
代表の中村一弘さんはまずコミュニティFMを開局することを優先しましたが、開局の翌年に能登半島地震が起きて、市内をカバーしなければならないことを痛感。中継局の開局を急ぎました。
中継局を立てるのは莫大なお金が必要ですが、エフエム花は総務省の「民放ラジオ難聴解消支援事業」の補助金などを活用して、開局することができました。
信楽町でも聴こえるようになったことで、市内のほぼ全域をカバーするという目標を達成しました。今後は災害時に自動的に起動する、緊急告知ラジオの運用に向けて準備を進めていくそうです。
また、4月6日には群馬県高崎市のラジオ高崎が、吉井地区に中継局を開局しました。
ラジオ高崎は1997年に開局して、現在は高崎市役所にある送信所と、西側の倉(くら)渕(ぶち)町(まち)にある中継局をそれぞれ運用していますが、南部にある吉井地区は地形上の理由で、ラジオ高崎の電波が届きづらい状況にありました。

こちらも総務省の「民放ラジオ難聴解消支援事業」の補助金を一部活用して、開局30年目にして吉井地区にも中継局が開局。安定して聴こえるようになりました。
先週19日には中継局の開局を記念して、群馬県高崎市出身の落語家・林家つる子さんを招いた特別番組を公開生放送しました。
ここで「民放ラジオ難聴解消支援事業」というのが出てきましたが、総務省のサイトによると、平時や災害時において、放送による迅速かつ適切な情報提供手段を確保するため、難聴地域解消のための中継局整備を行うラジオ放送事業者などに対し、その整備費用の一部を補助するとともに、難聴地域対策の効果的な推進に寄与する取り組みです。
地理的や地形的な難聴には3分の2を、建物の高層化や堅牢化などといった要因の都市型難聴は2分の1がそれぞれ補助されます。
難聴取地域を抱えるコミュニティFM事業者の皆様は、ぜひこの補助金制度を活用してみてはいかがでしょうか。
ということで、今回は放送休止、スタジオの移転、中継局の開局を中心に、この春のコミュニティFMに関する動きをご紹介しました。今後もこういったトピックを随時ご紹介していきたいと思います。来月もよろしくお願いいたします。
ご覧頂き、ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。


















コメント