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コミュニティFM大分析 #31【コミュニティFMの放送以外での取り組み】

  • koshibatakashi
  • 3 日前
  • 読了時間: 7分

こんにちは。「コミュニティFM大図鑑」のコシバです。


コシバが長年調査・収集した情報を分析して、目黒先生の解説と共に紹介していく「コミュニティFM大分析」。


2026年2月22日放送の「サンデー防災Open Lab.」では、コミュニティFMの放送以外での取り組みをお送りしました。



コミュニティFMは総務省から免許を与えられた放送局で、放送事業によるスポンサーからの広告収入によって経営をしていくことが想定されています。

 

しかし、コミュニティFMの制度が導入されて10年も経たないうちに、経営が行き詰まる局が見られるようになり、中には閉局に至ったケースもありました。昨年も8局が閉局しましたが、その多くは経営難が理由での閉局でした。

 

このことから、コミュニティFMは放送事業での収入だけでは継続的な運営は難しい、というのが業界での共通の認識になっており、別の収入源を確保する必要に迫られています。

 

コミュニティFMではイベントの企画や制作、最近では映像製作・配信といった事業を、放送と並行してやっている局が多くあります。

 

そのほかにもさまざまな取り組みが行われていますが、今回は私が今まで取材をしてきた中から、他の局でも活用できるのではないかと思うものを4つ選んでみました。



■地域のきめの細かい観光情報が大好評!


福井街角放送(福井県福井市)「Naviring(ナビリン)」



まずは福井県福井市の福井街角放送が発行している「ナビリン」をご紹介します。


「ナビリン」とは、福井市など嶺北エリアのガイドマップのことで、福井街角放送ではおおよそ年に一回このマップを製作しています。

 

ナビリンは折り畳み式になっていて、福井市中心部にある飲食店やお土産屋さんが載っている「お昼の地図」と、居酒屋などが載っている「夜の地図」、そして嶺北広域の3種類の地図が収められています。

 

このナビリンは毎回約2万部を発行。福井を訪れた観光客向けに無料で配布をしていて、福井駅や観光案内所、市内のホテルなどに置かれています。


携帯しやすいので、旅行者から非常に好評だそうで、ホテルからはなくなったので補充してほしいという連絡がよく来ているとのことです。


このナビリンには広告が掲載されていて、この広告収入が収益の大きな柱となっています。

 

コミュニティFMは取材などで地元のスポットや飲食店と繋がりを持っているので、旅行ガイドとはまた違った「地元の人が知っている隠れスポット」が載った、独自の観光ガイドマップが作れるんじゃないかなと思います。

 

観光客が多い場所にある地域の局には、ぜひ「ナビリン」のような地図を作ってみてはいかがでしょうか。



■プロのナレーションの肉声で映像が引き立つ


FM島田(静岡県島田市)「オトトル」



次は静岡県島田市のFM島田から、「オトトル」というサービスをご紹介します。

 

「オトトル」とは、FM島田のパーソナリティーによる、企業や学校向けなどの動画にナレーションを入れるサービスです。これを始めるきっかけになったのは、温かみのある肉声を大事にしたいという思いからでした。

 

技術が進歩して、誰でも簡単に動画が作れる時代になりましたが、音楽とテロップはあっても、ナレーションがないという動画が多いです。AIの音声によるナレーションがついた動画もありますが、AIの音声は聴いていて何か違和感がある気がします。

 

FM島田はそこに目をつけて、温かみのある肉声を入れて動画をより良いものにすることで、声の持つ良さを改めて伝えようと、このサービスを始めました。

 

例えば、スポーツチームや習い事などグループの思い出や、お店の商品説明、自治体のプロモーションなどの動画に、声のプロであるFM島田のパーソナリティーがナレーションをつけていきます。「格安お手頃プラン」であれば税込8,800円で作ることができます。

 

これがなかなか好評で、当初は個人の利用を中心に想定していたそうですが、実際は会社やお店からの発注が多く、中でも店先のサイネージやディスプレイで流している動画にナレーションをつけてほしいという依頼が多いそうです。

 

コミュニティFMは放送局なので、大抵は立派なスタジオ、そしてアナウンサー・パーソナリティーという「資産」を持っています。オトトルはこれをうまく活用したビジネスだなと感心しましたので、ご紹介させて頂きました。



■ご当地グルメを手軽に、防災を身近に


えびすFM(佐賀県佐賀市)「丸ぼうろ食べ比べセット」「避難時のためのガイドブック」



最後は、佐賀県佐賀市のえびすFMから「丸ぼうろ食べ比べセット」と「避難時のためのガイドブック」の2つをご紹介したいと思います。

 

丸ぼうろは佐賀市民に古くから愛されているお菓子で、佐賀県の複数のメーカーが製造していて、その味を競い合っています。


いろいろと食べ比べをしたいところですが、複数買ってしまうとどうしてもお金がかかってしまうのが悩みどころです。そんな消費者の声を聞いて、立ち上がったのがえびすFMの池田眞由美社長です。


池田さんは佐賀県菓子工業組合と掛け合って、各社の協力を得て2016年に丸ぼうろ食べ比べセットの販売を始めました。

 

この食べ比べセットは、佐賀市のほか、小城市と神埼市の9店舗の丸ぼうろが入っていて、税込1,400円です。冠婚葬祭やお土産にぴったりなことから、市民だけでなく県外の方からも好評を得ているそうです。

 

丸ぼうろ食べ比べセットは佐賀空港やJR佐賀駅前のSAGAMADOというお店、そしてサガマガの通販サイトなどで購入することができます。また、ふるさと納税の返礼品にもなっています。

 

地元の消費者の声を拾い上げて、良い形で商品化できたのはコミュニティFMの力ではないかなと思います。佐賀に行かれた際はお土産にぜひおすすめです。

 

一方、避難時のためのガイドブックは2024年1月に発生した能登半島地震がきっかけで生まれました。


この地震で池田さんは、災害が起こったときに何をすればよいのか、どんな準備をしておいたらよいのかについて知らないことが多いのに気付かされたそうです。

 

そこで、もしものときに地域の人々が助け合えるように、知っておくべき情報をまとめたガイドブックを作ろうと思い立ち、佐賀市危機管理防災課の協力を得て、2025年6月に初版を発行しました。

 

『避難時のためのガイドブック~佐賀市版~』は佐賀市内に115か所ある指定避難所を紹介しているほか、避難方法、停電やガス・水道が使えない時の備え、災害用伝言ダイヤルの使い方など、災害が起きたときのためにすべきことが網羅されています。

 

ガイドブックは最初5,000部を発行しましたが、市民からの問い合わせが多く寄せられるなど、相当な反響があったそうです。また、ガイドブックを作ったことで行政や地域とのつながりが深まり、防災でえびすFMを活用しようという信頼を得られました。

 

こういうガイドブックは、一回出したら終わりになってしまうことが少なくありませんが、えびすFMは続編として佐賀市内にある32の校区ごとの、よりきめ細かな情報を盛り込んだ「校区版」のガイドブックを順次発行しています。

 

今後はこれらの改訂版も発行していく予定なので、継続的にガイドブックが出ることになります。ガイドブックには関係企業の広告も掲載されており、発行する分だけ広告収入も入ってきます。

 

えびすFMの『避難時のためのガイドブック』は、地域防災とビジネスをうまく両立した取り組みではないかなと思います。

 

 

ということで、今回はコミュニティFMで放送以外の取り組みの中で、他の局でもできのではないかというものを4つご紹介しました。

 

今回ご紹介した取り組みは、コミュニティFMなら大抵は備わっていることを活かしているため、あまりお金をかけずに、そしてすぐにでも実行できそうなものではないかと思います。

 

この番組でもよくおっしゃっていますが、コミュニティFMの各局は受け持つエリアが重なっていないため、競合相手ではなく、いわば「仲間」です。なのでどんどん真似をして、お金儲けというとあれですが、経営安定の助けになればと思います。


ご覧頂き、ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。







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