コミュニティFM大分析 #29【2025年のコミュニティFM界を振り返る】
- koshibatakashi
- 1月18日
- 読了時間: 7分

こんにちは。「コミュニティFM大図鑑」のコシバです。
コシバが長年調査・収集した情報を分析して、目黒先生の解説と共に紹介していく「コミュニティFM大分析」。
2025年12月28日放送の「サンデー防災Open Lab.」では、2025年のコミュニティFM界を振り返ると題してお送りしました。
12月の大分析は毎年恒例の「コミュニティFM一年の振り返り」です。2025年もコミュニティFM界ではさまざまな出来事がありましたが、私が独自に選んだ3つのポイントから振り返ってみたいと思います。
今回、私が選んだポイントは「過去最多の閉局数」、「若手女性社長の誕生」、そして「ネーミングライツ」です。
■ポイント①過去最多の閉局数
まずは2025年に開局、閉局したところをご紹介します。
・開局
2/15 やおFM(大阪府八尾市)
3/24 奥河内ラジオ(大阪府河内長野市)
7/22 FM新宮(和歌山県新宮市)
8/9 あいラジ(埼玉県上尾市)
9/8 FMきつき(大分県杵築市)
11/5 Hello FM(東京都福生市)
2025年は新たに6つのコミュニティFMが開局しました。

・閉局
3/28 FM JAIGO WAVE(青森県田舎館村)
3/31 たかはぎFM(茨城県高萩市)、スターコーンFM(福岡県築上町)
6/30 FMねまらいん(岩手県大船渡市)、FMぎんが(鹿児島県鹿児島市)、せとラジ(同瀬戸内町)
10/31 ラジオおおだて(秋田県大館市)、ほんじょうFM(埼玉県本庄市)
このほか、4月1日にFM-Hi!(静岡県静岡市葵区)とマリンパル(同清水区)が合併して、静岡市のほぼ全域をエリアとする「S-Wave」が誕生しました。FM-Hi!側が運用上は閉局しており、先ほど挙げたところと合わせて9局が閉局と、1年間の閉局数はこれまでで最も多い数になりました。
プラスマイナスでは3局減少で343局。コミュニティFMの数がマイナスになったのは5年ぶりで、先日ゲストに来られた大嶋智博さんがおっしゃっていた「350の壁」がなかなか越えられない状況です。
閉局した理由の多くは財政難で、2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響でスポンサーだった企業や店舗からの出稿が減って、落ち着いてからもそれが回復しなかったことや、自治体からの委託金や補助金の減額もあって収入が伸び悩みました。
それだけならまだ何とかやっていくことができても、今度は老朽化した機材を更新しなければならない。これでどうにも回らなくなって、閉局してしまった例が相次ぎました。
また、ラジオおおだてやほんじょうFMのように、社長が病気になってしまった例もありました。少ない人数で運営しているコミュニティFMは、社長自身の力に依存する場合があり、その社長が倒れてしまうとダイレクトに影響を受けてしまいます。
ラジオおおだては他社への委託も検討していたようですが、受け入れるところは現れず、残念ながら閉局してしまいました。
昨年、この番組で行ったアンケートでもほとんどの局が収益に関する悩みを抱えていたように、財政難はコミュニティFMの大きな課題となっています。それぞれの局が工夫してこの課題に取り組んでいて、コミュニティFMの最大組織である日本コミュニティ放送協会(JCBA)でも、持続可能な運営の仕組み作りを行っていると聞きました。
劇的な変化は難しいかもしれませんが、来年はせめて閉局数が開局数を下回ってほしいと願っています。
■ポイント②若手女性社長の誕生
いきなり暗い話題でちょっと雰囲気も沈んでしまいましたが、今度は明るい話題をいきましょう。
2025年、高市早苗さんが日本で初めて女性の総理大臣になりましたが、コミュニティFM業界でも女性の社長、それも20代の社長が相次いで誕生しました。
そして、8月9日に開局したあいラジは、27歳の森麻衣さんが社長を務めています。

FMぎのわんの佐藤さんは3年前に入社してパーソナリティーを務めているほか、スタジオのリニューアルなどさまざまな企画を行って局を盛り上げています。また、FMたまんの照屋さんはなんと3歳の時からラジオに出演していて、現在は平日朝の番組のパーソナリティーを務めています。
あいラジの森さんは、準備委員会だった初期から携わっていて、昨年6月に勤めていた銀行を辞めて社長として開局準備に専念。月曜から木曜の朝6時からの生放送を務めるあいラジの顔として、エリア内を駆けまわっています。
もともとコミュニティFMはメディアの中でも女性の社長が比較的多く、現在全体の1割強の局で女性が経営トップに就いています。一番新しい局であるHello FMも、地元の商店主である原恭子さんが代表取締役になっています。
今後、女性の社長、特に若手の女性社長がコミュニティFMに新風を巻き起こすかもしれない、そんな期待を込めてポイントに選びました。
■ポイント③ネーミングライツ
最後はまだそれほど定着していませんが、これから来そうなものとしてネーミングライツを挙げてみました。
ネーミングライツは企業や個人がお金を払って施設などに自分の名前を入れることで、命名権とも呼ばれています。最近ではビジネスの一つとしてすっかり定着していて、「味の素スタジアム」や「みずほPayPayドーム福岡」のように、スポーツ施設や公共施設にネーミングライツを導入するところが増えています。
放送局の場合はスタジオにネーミングライツを取り入れているところがあり、コミュニティFMの場合、例えば神奈川県横浜市金沢区の金沢シーサイドFMは総合生活産業のミックによる「ミックスタジオ」、奈良県田原本町のFMまほろばはアスカ美装がネーミングライツを取得し、絵本の『スイミー』のように地域のいろいろな方が集まって大きな力になればという思いを込めた「ナラスイミーラボスタジオ」と、それぞれ名付けられています。
北海道札幌市厚別区のFMドラマシティは、2016年からステーションネーム自体にネーミングライツを導入していて、2025年11月に地元産のお米を使ったおにぎり専門店を展開するヤマショウ石田商店と契約を結び、「Radio YAMASHO FMドラマシティ」というステーションネームで、放送の中でアナウンスしているほか、スタジオの看板や公式サイトなどにも掲載しています。

ヤマショウ石田商店との契約額は不明ですが、放送の中で「Radio YAMASHO FMドラマシティがお送りしている…」といった感じで「YAMASHO」の名前が1日に少なくとも100回以上は連呼されているので、広告効果はかなり高いと思います。
このように、ステーションネームに通年でネーミングライツを採用しているのは、まだFMドラマシティだけですが、千葉県木更津市のかずさエフエムが昨年からゴルフのアース・モンダミンカップの開催期間中のみ「アース・モンダミンFM」になっています。
また、長野県軽井沢町のFM軽井沢が今年の夏、軽井沢・プリンスショッピングプラザの開業30周年を記念して2週間「軽井沢・プリンスショッピングプラザRADIO collaboration with FM軽井沢」に変更するなど、少しずつですが広がりを見せています。
最初のポイントで経営の話が出てきましたが、ネーミングライツはコミュニティFM局側にとって新たな、そして大きな収入源になり得るので来年以降導入する局が増えるのではないか、という予想で3番目のポイントにしました。
ということで、「過去最多の閉局数」、「若手女性社長の誕生」、そして「ネーミングライツ」という3つのポイントで、2025年のコミュニティFMを振り返ってみました。
2025年は正直、良くないニュースの方が多かったなという気がしますが、そんな中で地域の情報媒体をどう維持し、活用していくか。来年も課題になっていきそうです。
この「コミュニティFM大分析」では、2026年も各局のユニークな取り組みをお伝えして、少しでもコミュニティFMにとって良い方向に進むことに貢献したいと思っています。
ご覧頂き、ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。


















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