コミュニティFM大分析 #26【コミュニティFMの鉄人・20年以上帯番組を担当されている方の番組】
- koshibatakashi
- 10月13日
- 読了時間: 6分

こんにちは。「コミュニティFM大図鑑」のコシバです。
コシバが長年調査・収集した情報を分析して、目黒先生の解説と共に紹介していく「コミュニティFM大分析」。
2025年9月28日放送の「サンデー防災Open Lab.」では、コミュニティFMで20年以上帯番組を担当されている「鉄人」の番組をご紹介しました。
コミュニティFMの歴史も30年を超え、20年を超える長寿番組も増えてきました。中には月曜から金曜のいわゆる「帯番組」を長年担当されて、局の顔ならぬ声になっている方もいらっしゃいます。
今回は同じ時間帯の帯番組を20年以上続けていらっしゃる「コミュニティFMの鉄人」とも言える方をご紹介したいと思います。
■毎朝5時50分起きで休日もその習慣に
●しゅうなんFM(山口県周南市)・谷 佐恵子さん『グッドモーニング周南!』
まずは、しゅうなんFMで2003年の開局から、平日朝7時~9時の『グッドモーニング周南!』を担当されている谷佐恵子さんをご紹介します。
谷さんは柳井市の出身で、短大卒業後に会社員や介護福祉士、音訳など、アナウンサーとは特に関係ないお仕事をされていました。しかし、山口県の名物アナウンサーだった吉田治美さんが指導する話し方教室を受講したことをきっかけに、イベントの司会の仕事をするようになりました。
谷さんは、吉田さんが設立に関わったしゅうなんFMで朝の番組を担当することを勧められて、帯のラジオに挑戦することになりました。
放送がある日は朝5時50分までには起きて、6時20分までにスタジオ入りするというサイクルを20年以上続けているため、放送のない日でも同じ時間に起きてしまうそうです。
『グッドモーニング周南!』は2023年に放送5000回を迎えました。次の目標は1万回だそうです。
■ラジオ初体験。放送時間が23年で5倍に!
●FMラヂオバリバリ(愛媛県今治市)・ナナさん『すっぴん小町』

次は愛媛県今治市から。FMラヂオバリバリのナナさんは2002年の開局当初から平日朝8時~10時半の『すっぴん小町』のパーソナリティーを務め、朝の今治に元気を届けています。
ナナさんはラヂオバリバリの前身となる、1999年に広島と愛媛を結ぶしまなみ海道の開通を記念して行ったイベントFM「しまなみばりばりFM」のパーソナリティー募集の記事を見て応募したのが、ラジオとの最初の関わりでした。
ナナさんはそれまで、バスガイドや結婚式場の司会のアシスタントなどをされていましたが、ラジオは未経験。それでも、一からラジオ局を作っていく楽しさに惹かれたそうです。
イベントFMでの実績を買われて、ラヂオバリバリの開局とともに朝の番組のパーソナリティーに抜擢されました。
『すっぴん小町』は、ナナさんと「すっぴんリポーター」と呼ばれる各地域の市民リポーターとのやり取りが好評で、最初は30分番組でしたが、どんどん時間が拡大して、現在は2時間半のワイド番組になっています。
ラヂオバリバリは市民参加型の放送局で、ナナさんは今治でやりたいことを、ラジオを通してどんどん発信してほしいと呼びかけています。
■脱サラでラジオの世界へ。嵐と同期デビュー!?
●FM HOT 839(神奈川県相模原市)・竹中通義(みちよし)さん『竹中通義モーニングワイド』

今度は相模原市のFM HOT 839から。こちらは竹中通義さんが、平日朝7時から3時間の『モーニングワイド』のパーソナリティーを1999年から務めています。
竹中さんは長崎県の出身で、生命保険会社の就職で相模原に引っ越して、長くサラリーマン生活をしていました。しかし、50歳になるのを前に、このままの生活で良いのか考えていたそうで、そのときちょうど「公民館だより」に載っていたFM HOT 839のことを知り、デモテープを作って自ら売り込んだそうです。
ほとんど未経験で飛び込んだラジオの世界で、試行錯誤が続きましたが、相模原市内のどこにでも出掛けて自分の足で取材し、それを次の日の生放送の中で伝えることにこだわって、自分のスタイルを築き上げました。取材したことを記したメモは50冊以上に及ぶそうです。
番組がスタートした1999年11月は嵐がデビューした月でもありますが、竹中さんの方が長く続けていることになりました。
2025年4月から出演が週4回になりましたが、まだまだ元気いっぱいに朝の情報を届けています。
■元アナウンサーがコミュニティFMで最長パーソナリティー
●調布FM(東京都調布市)・遠藤理(ただし)さん『調布・朝の光と風』

最後は調布市から。私の調べでは、この方が最も長くコミュニティFMで帯番組を続けていらっしゃいます。1998年の開局から27年半、平日朝7時~10時の『調布・朝の光と風』を担当されている遠藤理さんです。
『調布・朝の光と風』は各紙の朝刊拾い読みを中心に、ニュース、天気予報、交通情報など、朝に必要な情報を音楽と合わせて放送しています。
遠藤さんは茨城放送に17年半勤めていた元アナウンサーで、現場へのこだわりから茨城放送を辞めて、大学時代の先輩の紹介で調布FMに開局から関わっています。当初、スタッフの多くが放送の素人だったため、遠藤さんがプロとして後輩への指導も行っていました。
遠藤さんは朝の番組の他にも、味の素スタジアムで行われるサッカーJリーグ・FC東京の試合や、花火大会の実況も務めています。
ちなみに、交通情報などを伝える小堺由美子さんもスタート当初から出演されていて、27年間遠藤さんとコンビを組んでいます。
ということで、今回は同じ時間帯の帯番組を20年以上続けていらっしゃる「コミュニティFMの鉄人」4人をご紹介しました。
偶然にも皆さん、朝の番組という共通点があります。また、遠藤さん以外はラジオとは関係のない世界から飛び込んできたというのが、市民が参加するコミュニティFMらしいなと感じました。
冒頭でもお話しした通り、皆さんはそれぞれの局を代表する「声」で、この声を聴けば、どこどこの局だとわかるほどの存在になっています。
「この局といえばこの声」というのは本当に大事なことで、災害など緊急事態が起こったときに、この人が言っているのだから避難しよう、気をつけようと、リスナーに対して自然と説得力を与えてくれます。
また、いつもの声を聴くと落ち着ける、不安を和らげるという効果もあります。コミュニティFMの各局の皆さんは、ぜひこういった「いつもの声」を大切にしてほしいなと思います。
ご覧頂き、ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。


















コメント