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コミュニティFM大分析 #23【障害を持った方に関するコミュニティFMの番組】

  • koshibatakashi
  • 7月13日
  • 読了時間: 7分

更新日:7月15日

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こんにちは。「コミュニティFM大図鑑」のコシバです。


コシバが長年調査・収集した情報を分析して、目黒先生の解説と共に紹介していく「コミュニティFM大分析」。


2025年6月29日放送の「サンデー防災Open Lab.」では、障害を持った方に関するコミュニティFMの番組をご紹介しました。


コミュニティFMは市民誰もが参加できるメディアという特徴があります。そこには当然、身体に障害を持った方も含まれます。


全国のコミュニティFMにはそういった方々が活躍している番組があり、また障害を持っていても楽しめる番組も放送しています。


今回のオープンラボでは、障害を持った方に関する番組を3つご紹介したいと思います。



■同じ病気を持つ方が魂を引き継ぐ


三角山放送局(北海道札幌市西区)『ALSのたわごと』


三角山放送局
三角山放送局

三角山放送局は以前にもこの番組でご紹介しましたが、誰もが平等にマイクの前で話せる「いっしょに、ねっ!」をコンセプトに掲げて、特に障害を持った当事者からの発信は開局当初から取り組んでいます。


そんな中、2015年にスタートしたのが『ALSのたわごと』という番組です。


ALSとは「筋萎縮性側索硬化症」のことで、全身の筋肉が徐々に弱まり動かなくなる難病で、国内には約1万人がかかっているそうです。著名人では、学習院大学名誉教授だった故・篠沢秀夫さんや、声優の津久井教生さんがALSに罹患しました。


初代パーソナリティーの米沢和也さんは2013年にALSの診断を受けて、仕事を辞めて治療に専念していましたが、札幌市にある難病患者の支援団体からラジオ出演を依頼されて三角山放送局に出演したことをきっかけに、ALSのことについて発信しようと番組が始まりました。


内容はALSのことはもちろんですが、もっと気軽に聴いてもらいたいと、大学時代に聞いていた音楽やテーマパークに遊びに行った話なども織り交ぜていました。


最初は米沢さんが自ら喋っていましたが、病気の進行で人工呼吸器をつけるために気管を切開して話すことができなくなってからは、予め録音しておいた自分の声をもとに機械で発声するソフトを使って放送を続けていました。


2020年にコロナ禍で番組収録が一時中止になっていた間に米沢さんが亡くなり、番組は一旦終了しましたが、2022年に元札幌交響楽団コンサートマスターで、やはりALSの闘病を続ける大平まゆみさんがパーソナリティーを引き継ぐ形で再びスタートしました。


大平さんも米沢さんの時代と同じように、事前に録音していた声を使った機械で放送していて、NPO法人iCareほっかいどうの佐藤美由紀さんがサポートしています。


『ALSのたわごと』はALSの周知や難病と闘う患者の希望や励みとなるべく、放送を続けています。アーカイブは三角山放送局の公式ユーチューブチャンネルで聴くことができます。

 



■難病を吹き飛ばすおしゃべり大好きな十代の番組


レインボーエフエム(長崎県諫早市)『秋山大輝のラジおしゃべり』


レインボーエフエム
レインボーエフエム

諫早市出身の秋山大輝さん(放送当時19歳)は、骨形成不全症という2万人から3万人に一人という難病を抱えて生まれました。


骨形成不全症は骨がもろく、骨折を繰り返し、変形や痛みを引き起こす先天性の病気で、秋山さんは日常の移動手段は電動車いすを使っています。乗り物の乗降や着替えなどには介助が必要で、体重も約18kgしかありません。


そんな秋山さんは、幼い時から両親が絶えず話しかけて育てたくれた影響で、おしゃべり好きの明るい性格で、家族や友人らのムードメーカーとなっています。


メディアも注目して、地元のテレビ局のドキュメンタリーや『24時間テレビ』に出演しました。


テレビで秋山さんのことを知ったレインボーエフエムのパーソナリティー、「上野屋」こと上野辰一郎さんは、2021年に自身が担当する『うえのやぶらり』というコーナーにゲスト出演してもらったのですが、そのとき上野屋さんは秋山さんのトークの面白さと感性の鋭さに驚いたそうで、次週から即レギュラーになってもらいました。


ちなみに当時、秋山さんは特別支援学校高等部の1年生(高校1年生)でした。


45歳も齢が離れた上野屋さんと秋山さんのおしゃべりは評判になり、上野屋さんは番組タイトルの冠を譲って、2022年から現在の『秋山大輝のラジおしゃべり』に改め、秋山さんがメインになりました。


『秋山大輝のラジおしゃべり』は毎回10分弱のコーナーで、上野さんが聞き手となり、障害を持った秋山さんの目線で日常に関するトークを繰り広げています。


基本はスタジオで収録していますが、障害者施設や諫早市内の公立図書館などで公開収録を行ったこともあります。


上野屋さんは自身のユーチューブチャンネルで、放送第1回からのアーカイブを配信していますが、秋山さんのトークが自分よりはるかに上手いので驚きました。


現在は高校を卒業して就労支援の事業所で働いていますが、アナウンサーも夢だとのことです。




■耳が聞こえても聞こえなくても楽しめるハイブリッドラジオ番組


FMぎのわん(沖縄県宜野湾市)『大屋あゆみの手話ラジオ』


FMぎのわん
FMぎのわん

最後は聴覚障害者の方でも楽しめるラジオ番組をご紹介します。耳が聞こえないとラジオは聴けませんが、ある工夫でその壁を乗り越えようとしています。それがFMぎのわんで放送している『大屋あゆみの手話ラジオ』です。


この番組は、よしもとエンタテインメント沖縄所属芸人の大屋あゆみさんがパーソナリティーを務め、タイトルの通り手話を使いながら番組を進行。ラジオではもちろんわかりませんが、同時に放送しているユーチューブの配信映像を通じて見られるので、「ろう者(聴覚に障害がある方)と聴者、どちらも楽しめる番組」となっています。


宜野湾出身の大屋さんは、2024年に話題になった映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』のように、聴覚に障害がある両親の元に生まれ、自分自身は聞こえる「コーダ」として育ちました。日本国内にはこういったコーダの方が、およそ22,000人いると推計されています。


両親とのコミュニケーションはもちろん手話で、日本語を話すよりも手話を先に覚えたそうです。


大屋さんは手話通訳者全国統一試験に合格し、手話検定2級などの資格を持つほか、役場で設置手話通訳者を務めた経験もあります。


2011年からよしもとエンタテインメイント沖縄所属の芸人さんになり、2018年に聴覚障害者でも楽しめる、手話コメディー集団「劇団アラマンダ」を立ち上げ、座長として公演も行っています。


大屋さんが地元で番組をやりたいとFMぎのわんにオファーをして、スポンサーの賛同を得て昨年夏から始まりました。


『大屋あゆみの手話ラジオ』はオーソドックスなラジオ番組で、毎回テーマを決めて、自身の体験を元に話題を展開し、寄せられたリスナーからのメールなどを紹介しています。


初回から多くのリアクションがあり、県外の聴覚障害者のリスナーから「ラジオを聴いたことがなかったのでうれしい」というコメントも寄せられたそうです。


大屋さんはコーダについて「不便はあったが、不幸とは違う」と断言し、「ろう者は特別な存在じゃない、と宜野湾のコミュニティーラジオから全国に発信できたらかっこいいですよね」と、地元マスコミの取材で話しています。


こちらもFMぎのわんの公式ユーチューブチャンネルからアーカイブを聴く、そして観ることができます。



 

今回は3つの番組をご紹介しました。特に最初の2つは障害の話だけでなく日常的な話題のことも話していて、聴く側も肩肘張らずに聴くことができると思います。障害を意識せずに普通のラジオ番組として聴くことは、まさに「聴くバリアフリー」だと思います。


目黒先生はこういったバリアフリーな放送は防災にも役に立つので、大いに参考になるとおっしゃっていました。


「当事者」が自ら話すのはコミュニティFMだからできることの一つです。他にも、こういった障害を持った方が当事者となって話す番組を放送していますので、インターネットでいろいろと聴いてみて下さい。

 


ご覧頂き、ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。



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