コミュニティFM大分析 #15【コミュニティFM局が関わるイベント】
- koshibatakashi
- 3月20日
- 読了時間: 5分

こんにちは。「コミュニティFM大図鑑」のコシバです。
コシバが長年調査・収集した情報を分析して、目黒先生の解説と共に紹介していく「コミュニティFM大分析」。
2024年7月の「いいね!このまち!このラジオ!」では、コミュニティFM局が関わっているイベントについてご紹介しました。
地域密着のコミュニティFMは、その多くが地元で開催されるイベントに関わっています。
イベントへの関わり方は企画立案、進行、技術協力、MCの派遣などさまざまで、特別番組として現地からの公開生放送や、映像配信を行っているケースも多くあります。これらは各コミュニティFM局にとっても、大きな収入源の一つとなっています。
新型コロナウイルスの感染が拡大していたときはイベントが軒並み中止に追い込まれましたが、感染対策をしながら徐々に復活して、行動制限がほぼなくなった昨年からはほぼ元通りになっています。
今月はそんなコミュニティFMが関わっているイベントの中から、独自にチョイスしてみました。
■13時間半徹底生中継!スタッフも体力勝負
●エフエムみやこ(沖縄県宮古島市)『全日本トライアスロン宮古島大会』

毎年4月に開催される、宮古島春の風物詩「全日本トライアスロン」。エフエムみやこは開局した翌年の2003年から、毎年生中継を行っています。
トライアスロン中継は、エフエムみやこの前身となる「コミュニティFM研究会」時代の2000年からイベントFMとして実施しており、20年以上の歴史があります。
トライアスロンはスイム(水泳)3km、バイク(自転車)157km、ラン(マラソン)42.195kmの3つの競技を行うことから長丁場になりますが、エフエムみやこはこの模様を完全実況生中継しています。
2024年は朝6時から夜7時半までの、13時間半に渡って放送しました。中継当日、スタッフは朝3時に起きて、5時に集合して準備を行っているそうです。出場選手だけでなく、スタッフもこの日は体力勝負です。
■花火だけでなく、前後も聴いてもらう工夫
●FM HOT 839(神奈川県相模原市)『花火エフエムドリームウェーブ』

夏といえば花火。全国のコミュニティFM局でも花火大会の中継が行われています。
FM HOT 839は、毎年8月に行われる「相模原市納涼花火大会」の実況生中継を中心とした特別番組を、会場の相模川高田橋上流の特設スタジオから公開生放送しています。イベントの公開生放送を数多く実施しているFM HOT 839の中でも、最大規模級の特別番組です。
打ち上げ花火自体は夜7時から1時間ほどですが、『ドリームウェーブ』は夕方4時から夜10時までの6時間も放送しています。
会場の高田橋周辺は花火当日に交通規制がかかり、周辺道路も含めて渋滞が激しくなるため、普段この道路を利用している方々に向けて交通情報を伝える必要があります。そのため、花火打ち上げの前後は15分に一度交通情報を入れて、きめ細かな情報を伝えています。
テレビの花火大会中継ではこのような情報は伝えることがなく、コミュニティFMならではだと思います。
また、花火大会が終わった後は駐車場から出る車で混雑するため、その時間をイライラせずに楽しんでもらおうと、観客に直接インタビューをして感想を聴いたり、リクエストを受け付けたりしています。
車などで花火を観に来た人はもちろん、花火が見えない場所でも、そして前後の時間でもラジオで楽しめるよう工夫されていて、花火大会全体の楽しさを音で伝えています。
■人海戦術で駅伝大会を完全実況
●エフエムEGAO(愛知県岡崎市)『岡崎市民駅伝競走大会』

毎年1月に開催している岡崎市民駅伝。2024年は中学生から一般までの237チーム1,662人が参加して、岡崎市内の各所を回ってたすきを繋ぎました。
エフエムEGAOでは、この駅伝大会を毎年実況生中継しています。
中継ではスタッフを各中継ポイントに配置。スタジオではあらかじめ参加チームのゼッケン
データをパソコンに入れていて、ポイントを通過したゼッケンをスタジオに報告して、データを出力。それをパーソナリティーが読み上げるという、まさに人海戦術とも言える実況放送を行っています。
大会の前には参加チームの紹介などといった事前情報を流していて、リスナーや参加者から
好評を得ています。
また、山口県防府市にも防府市内一周駅伝競走大会という大会があり、こちらも地元のFMわっしょいが実況生中継を毎年行っています。FMわっしょいでも中継ポイントに人を置いて、通過順位の速報を流しているそうで、こちらも人海戦術でやっているそうです。
■障害のあるなし関係ないバリアフリーな文化祭!
●三角山放送局(北海道札幌市西区)「いっしょにね!文化祭」

これまでは地元のイベントを中継する特別番組をご紹介してきましたが、これはコミュニティFM局が主催するイベントです。
三角山放送局は2014年から、ダンス、歌、バンド演奏などのステージ発表や、絵画、工芸品などの作品展示を合わせた「文化祭」のイベントを行っています。
三角山放送局は開局以来、障害のあるなしに関係なく、誰でも放送に参加してもらう「いっしょに、ねっ!」をステーションコンセプトに掲げています。
スタジオがバリアフリー構造になっているのはもちろん、呼吸でスイッチ操作ができる装置やタッチセンサー、ディレクターの合図でバイブレーションを起こす腕時計などの放送機器を用意して、障害のある人でも収録がしやすいように工夫しています。
もちろん「いっしょにね!文化祭」も、身体に障害のある人も積極的に参加していて、障害がある人もない人も、お互いの日頃の研鑽の成果を発表し合う「いっしょに」楽しみ、参加するイベントになっています。2023年は28団体がステージ発表と作品展示で参加しました。
参加団体の一つ、ユニバーサル・フラダンスサークル「Na Hoa Hula Anela(ナー・ホア・フラ・アーネラ)」の代表である武部未来(みき)さんは生まれつき足に障害があり、普段の歩行には杖が欠かせません。
武部さんは障害があっても踊れるチアダンス「チェアーフラ」を知り、仲間に呼びかけてサークルを立ち上げたそうです。今年も10月の開催に向けて、準備が進められています。
ご覧頂き、ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。
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